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化学系の転職など。イロハ

どーなってんだ化学系、こんなはずじゃ…と思ったら見て

化学系の厳しさと現代社会

目が覚めるまで約12分

 

最近コーヒーのイベント(トーキョーコーヒーフェスティバル)に行きますた。

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図1: イベントの戦利品

 

コーヒーの飲み比べが出来る機会なんてめったにないよね。

会場にいる人達は自分の個性を出したオシャレな人ばかり。

オトナの美女・イケメンの宝石箱や。

コーヒーを飲み続ければあの人たちのようになれるのかな。

私、頑張る。

 

肝心のコーヒーの味ね。

ブルーベリーのフレーバーやチョコレートの香り。

酸味の強いものや苦みが強いもの。

ブラジル産かケニア産でもクセが全然違う。

やっぱり美味しいコーヒーは喉にエグミが残らないんだね。

私は普段オトマトペが多いせいか、

友人に上手くコーヒーの魅力を伝えられない。

 

私「あ゛―ズモッとブルーベリー」

友人「あ、フルーティーね」

私「おっ、テロっとしてる!」

友人「独特な味だね」

私「ズーンとくる感じね」

友人「結構苦みが強いね」

私「ウ~ってなるね」

友人「意味不明」

 

うーうーこちら5号車、本部応答せy(以下略)。

 

柳沢慎吾さんは置いといて。

コーヒーでも飲みながら化学系の厳しさでも聞いて頂けませんか。

私のようにコーヒーを飲む事が好きだけど詳しくは知らないという人にオススメしたい。喉にエグミが残らないコーヒーが飲めるバリスタです。冬は1日2杯以上飲んでます。正直コーヒーの粉を入れる透明なプラスチック容器を外しちゃえば瞬時にお湯が出せるので、ココアとかお茶のお湯が欲しい時にも使っちゃってます。我流。取説にダメとは書いてないぜ

 

目次

 

化学系の厳しさを知る2つのキーワード

 

以下2つのキーワードを知ってる?

 

ポスドク、ピペド。

 

これらのキーワードについてどのくらいご存知?

そもそもこのキーワードの意味からいってみよう。

 

ポスドク:博士研究員。大学などの研究機関で働いている博士。

ピペド:分子生物学を専門とする大学院生やポスドクを揶揄した言葉。ピペット奴隷

 

ピペドに関しては特に生物系…

あれ、凄い良い記事書いてる人いるねぇ。

www.recomtank.com

私の出番がないじゃないか。

もうピペドとかこの人の記事読めば十分すぎるね。

じゃ、ピペドの話はやめよう。みるおか氏にぶん投げ。ぶっとびー。

 

方向転換して、記事で書かれている事について私の観点から説明したい。おもかじいっぱーい。

 

化学系は応用展開が分かりやすい?

 

それでみるおか氏の記事で以下のことが書いてあった。

 

この、『ちゃんと研究内容を話せるか』を出来てない人が、バイオ系には結構多いのです…。 リンク:上手な研究発表のストーリー構成とは:『三角形』の法則 特に、『その研究が何に活きるか』をちゃんと話せない人が多いんです。 化学とか、機械系って、研究の応用展開がわかりやすいですよね。 この化合物ができれば、画期的な自動車の塗料に応用できます!みたいな。 その点、バイオ系って、研究分野の、本当に隅の隅を実験していることも多い…。

就職難の嵐!それでもバイオ系に進学する?悲惨な実情とは - レコメンタンク

 

化学系は応用展開が分かりやすい?ファ!?

断じて違う。どこの化学系よ。どっから聞いたのよ。

じゃあちょっと、とあるワンシーンをみて頂きたい。

 

中間発表にて。

私「なーどんな研究やってんだ?」

友人「あ、これ?温度上げると抵抗が上がるマトリックスポリマーの構造解析」

私「へえー何に使えるの?」

友人「え??いや、知らん。全然上手くいかないし。」

私「マジすか。緒言からすると、この結果良さそうだけど」

友人「俺実験でうまく合成出来たことなくてさ、これ共同で実験やってる研究所が解析したデータ」

私「え、それって」

友人「そう、俺が出した結果はない」

 

中間発表あるあるです。論点ずれたね。

「化学系だから応用展開が分かりやすいというのは偏見」と言いたかったの。

 

研究結果を出すのが難しい

 

そうそう、中間発表の時は論文に使えるような結果が無い方が普通です。

みんな上手く自分の結果を工面して何が進歩したのか説明するので精いっぱいなのです。

発表で多いのは実験の結果が予測と違ったのは何故なのかとかね。

研究室入って半年じゃまだ研究に慣れるので精いっぱいだからね。

 

1年経てばもうほとんどのことは理解出来ているから、

逆に言い訳が利かなくなるのがつらい所かな。

なんでまだ結果ないんだ?ってね。

 

面接で研究が何に活かせるのか聞かれたら。

 

私の場合。面接で神経のお話をするんだけど、化学でも生物でもないからね。

あえて分類するなら電気生理学。

化学=有機と無機

だと思っている採用担当に全然理解して貰えない。

とりあえず、

アメフラシ解剖して神経の反応を見ることが出来るデバイス作ってます。」

とか言っておけば大抵の採用担当は

「あ、面倒そうだから深追いしない方がよさそうだな。」

とか考えてんのかね?話題を変えてくれる。

 

実際最終目標は神経デバイスの作製なんだけど、

今の研究とどうつながるのとか言われても、

「話すと長い」

って返したくなるこのジレンマ。

細かく聞いてくる採用担当にはトコトン付き合いましたけどね。

もー何十回も面接受けてるとね、牛になりそう。

もーもー、もう…もうやめて。

 

バイオ系は絶対キツイのか。

 

それで、48時間実験に拘束されるってね?みるおか氏の記事に書いてあった。

博士だからなのかな?よくわかんない。そんな話聞いたことない。

バイオ系の研究してる友人いたけどね、

論文作成などの多忙期を除けば1日10時間研究するぐらい。

そこの研究室はフレックス制だったから、一日8時間研究室にいれば

なんでもOKとか言われていた気がする。

そこの教授はアメリカの大学を卒業したので、

英語の論文を読む機会が多いとか言っていたかな。

 

だから同じバイオでも研究室によって異なるので、

研究室配属前に情報をしっかり得ることが大事だと思う。

でなければ、拘束時間が無駄に長い研究室に配属されてしまうかもね。

 

有機の塗料は応用が分かりやすい?

 

塗料だから用途が分かりやすく、説明しやすい?

確かに用途は分かりやすい。

しかしやること自体は有機系の方がエグイのではないかな。

有機系の頭の良い友達に話を聞いた。以下、その概要。

 

「技術自体は結構成熟してる分野だから、

 新しい素材を見つけた!という感じではない。

 より優れた性質を持つ化合物を見つけるために、

 何個も何個も同時進行で試してみないとダメなんだ。

 例として、3種類の物質を混ぜた化合物Mがあったとしよう。

 その3種類の中で最も優れた組成のMを探さなきゃいけないんだ。

 組成の組み合わせは無限にあるだろう?2:4:4, 3:5:2, 6:3:1など。

 もちろん最初は大雑把に分けてだいたいの目星を付ける。

 その後作業効率を上げるのか、性質に磨きをかけるのか、コスト削減するのか。

 いろんな目的があると思う。そこまで上手くいけば良いのだけど。

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図2: 有機系研究のイメージ

 

 有機系で恐ろしいのはその実験を10回やった実現率が80%以上じゃないと結果と認められない。

 ただでさえ色んな組み合わせの実験や解析やレポートに追われているのに、

 同じ実験を何回も繰り返さなきゃいけないんだよね。

 だから、学会に出なきゃいけない有機系の修士や博士は大変なんだ。」

 

(実現率についてはちょっと忘れてしまいました。すみません。80%じゃないかも。異常に高いなという印象が残っていまして。ちなみに実際は実現率という言葉を使いません。分かりやすさのため使っていました。)

私は卒倒しそうになった。私の研究室とはまた違った厳しさである。

でもウチの大学の有機研究室の教授は優しいから、

そこらへんなんとかしてくれるらしい。

もちろん真面目にやらない人間はポイだけど。

他の有名な大学の有機系研究室だと家に帰らないで、

研究室でずっと生活しているレベルの人が多いとか言っていたよ。ホント?汗

 

同じ化学でも「厳しい」の意味合いが異なる

 

有機は上記のように実験数が多くて厳しいものが多いらしい。

これに対し、私の研究室では、

既存の研究を踏まえて新しい方法を築いていく傾向が強いので、

何をしたら良いのか分からない厳しさがある。

もちろん優れた方法を見つけたらt検定とかいうものを利用して、

複数回行った場合の測定誤差が一定の範囲内に入らないと

有効な結果として認められないとかはある。

 

説明するのが下手で申し訳ないんだけど、違いを伝えるのが難しい。

簡易的に説明すると、

専門書や論文を読みあさって仮説を立てて教授に許可を頂いて実験してみる。

その結果から、次は薬剤や撹拌・放置時間を変えるなど改善点を探していく感じ。

そこまで実験に追われていないと言いますか。

ただし、実験技術と考察センスがないとマジで実験が進まなくなる怖さもあった。

私は何回も装置の作製・設定からつまずき、実験どころではない状態だったし、

あの学科イチ厳しい教授がいなかったらドン詰まりでした。

なんだかんだ教授には感謝していますよ。ええ。

 

拘束的な厳しさと言えば、

ウチの研究室の人も中間発表とかのイベントがあるたびに

研究室で寝泊まりぐらいはあったね。

ポスター終わんねぇとかボヤキながらね。

そんなときに私は

 

「死んでも泊まらねえ」

 

とか変な名言を吐いてしまったものだから

ちゃんと家に帰って解析とかレポート編集したよ。ワーカホリックだね。

とか言いながら普段は割と夜7時にはみんな帰っちゃうので、

オンとオフがしっかりしてる研究室だったね。

私は配属から半年経つまでは実験結果が出なかったので、

夜11時まで大学に残るのはザラだった。

何とか教授が装置の不備を見つけてくれて実験が進むようになりましたけど。

ココだけ見たら私は機械系と勘違いされそうだけどね。化学系よ。

確かに装置の開発だから電気や機械の知識も少し必要で、かなり苦戦したよ。

一部の装置の取説が英語で泣きたかった。これはナンダ―。

 

化学は厳しいと言ったものの

 

厳しい厳しいと連呼したが、

私の研究が実を結んだら、

海外の学会行かせて頂けるような状況だった。

なので夜11時まで大学に残っても前職ほど苦痛ではなかった。

結局無理だったけど。一個一個着実に進めていく過程が楽しかった。

 

厳しさを見極めることは企業選びにも役立つ

 

研究室における厳しさを理解出来たら、

企業を選ぶ際にも有効かもしれません。

 

巷で色んな企業がブラックブラックと言われていますが、

何を持ってブラックとするのか?

他人がブラックとは言っても自分にとってはそうでもないかもしれません。

マイノリティ(社会的少数派)の大きな言葉に惑わされず、

自分は何が嫌で、何が譲れないのか?

足を動かして企業を自分の目で見てはっきりさせることが、

就職や転職で後悔しないコツなのかもしれない。

人によって耐えられる厳しさは違いますから。

私の場合、「頭を使わない重労働」が嫌で、「近場で化学」が譲れない。

ブラックと声高に言われる長時間労働は会社の雰囲気にもよるので、

そこに関してはあまり意識しません。

 

団塊世代と現代人それぞれの価値観

 

厳しさの価値観がズレる例として団塊世代がよく挙げられますね。

団塊の時代は、日本が戦争に負けたばかりで、

日本の経済は落ちるところまで落ちていました。

だからこそ当時全国民が変わらないと後がない。

背水の陣。皆で頑張ろうという気運が高まっていました。

そのため、当時の人たちは今の時代ではありえない程働いていました。

そのようなハッスル精神のある企業が現代まで残り、

皮肉なことにブラックと言われてしまっている事もあるのでしょう。

 

現代は世の中が悲観的な展望で満ちているため、

本気で会社のために生きようとしても、

やりきれない気持ちになる時があるのでは。

例えばニュースやSNSの発達で、日々目に入る不安な先行きに、

ブルーになることはありませんか。

 

「私は何のために会社で働いているのだろう。」

 

と。

その上会社も人間関係が酷く、自分の居場所がなかったら…

 

だから適度な休み・逃げ場が現代には必要なのだろうと私は考えています。

 

いかがでしょうか。自分や現代社会を改めて顧みる機会になれば幸いです。

 

まとめ

・ピペドはピペット奴隷の略

・化学だろうと生物だろうと拘束が長い研究室はある。

・学士は中間発表までに結果が出ないのがほとんど。どれだけ定量的に実験出来ているかが評価される。

・分野に関係なく、研究が何に活かされるのかを伝えるのは難しい場合がある。

・応用用途が分かりやすいからって安易に有機を選ぶと滅ぶで。

・結局、研究を決めるのは教授なので、教授によって何が厳しいのか変わる。

・研究室での厳しさを理解出来たなら、企業の選択にも活かせるかもしれない。

 

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